メンカラに溺れた大人。色を選ぶにはそれぞれ意味がある。

今週のお題「わたしの好きな色」

 

みなさんは、街ゆく人々が身につけているさまざまな色に意味があるなんて、考えたことはあるだろうか。

 

わたしはなかった。

ほんの3年前、アイドルに落ちるまでは。

 

わたしの好きな色は「紫」である。

 

紫は、わたしの推しであるアイドルの、メンバーカラーだ。

 

メンバーカラーとは何か?

 

メンバーカラー、略してメンカラ。

アイドルメンバーそれぞれに割り当てられている色のことである。

 

彼ら、彼女らはしばしばメンカラの衣装を身につけるし、その色のグッズが販売される。

 

ライブでは、ファンは該当する色の服を着ていく。

アイドルに気づいて欲しいのはもちろんだが、ファン同士、同じ推しであることをさりげなく共有できるというメリットもある。

 

そうなるとだんだん、紫の着こなしが気になってくるものだ。

いかにさりげなく、でも可愛く取り入れられるかが勝負だ。

街でもSNSでも、自然と紫を身につけた人をチェックする。

 

「ライブ」という特別な日だけのものが、だんだんエスカレートして日常に浸透するのにそう時間はかからない。

会社に行くのも紫を着て行きたくなる。

 

毎日持てることを考慮すると、バッグやスマホケースはとてもコスパの良い投資である。

ピアスはいくつあってもいいし、

今後は紫を取り入れた、かわいいメイクも勉強したい。

 

メンカラって、身につけていると幸せだ。

だっていつも一緒にいられるような気がするから。

あーーーオーバー30、きもーーーーい。

分かってる、分かってるんだけど!!!!

 

仕事への影響もある。

資料のパワポには、さりげなく紫を紛れ込ませるのがマイルール☆

 

独占欲まで生まれてきた。

退職する人に、寄せ書きをするとき。

カラフルなマーカーが用意されていたのだが、思わず紫を一番に死守した。

紫は誰にも渡したくない。

ていうか、わたしを差し置いて、意図もなく紫を手にするのだけは許せない。

ああ、いったいなんの独占欲なのか。

 

最近では身近な人をも疑う始末である。

営業部の人に、いつも素敵なネクタイをしてくる人がいる。

でもよく考えるとこれまた紫率がめちゃくちゃ高いのだ。

しかも間食のキャンディーはブドウ味、外出先から帰ってきたら使う汗拭きシートも、シリーズの中で必ず紫色のもの。

ついにはその人の言動を分析し、推しを当ててやった。

(自分は隠し通したんだから、最低である。)

 

ここまでくると、病気である。

もうわたしは、紫以外の色をうまく選べない。

そういう体になってしまったのだ。

 

別の色を選ぶのには、相当特別な理由がいる。

ゆえにわたしは、これからも紫を選び続けるだろう。

 

あなたも探してみてほしい。

きっと身近に、そういうメンカラに溺れた人がいるはずだ。