他人の仕事を「妄想」してみた

他人のバックグラウンドを想像するのは楽しい。

いわゆる人間観察、というのであろうか。

 

この男の人は今、なぜ道端に座り込んでいるのか。

なぜ前からきたカップルは付き合うに至ったのであろうか。

カフェで隣の女子高生の2人組、一人はひどくつまらなそうに見えるけど本当は今すぐにでも家に帰り、明日の試験勉強をしたくて仕方ないのではないだろうか。とか。

 

今日もそんな、想像が止まらない出来事があったので報告したい。

 

会社の命で、ある新しく使うソフトの講習会に行ってきた。

社外に出て会社が異なる方なども一緒に受けるようなたぐいのものである。

ソフト自体はそれなりに専門的なものであった。

 

講習会を開催している会社は、人材派遣とか、そういった関連のサービスを提供したり、教材を作ったりとか、割と手広くやっているらしい。

 

講師の先生はとても感じの良い女性で、

ソフトの使い方を丁寧にわかりやすく教えてくださっただけでなく、

実際の業務ではこんな風に使うといいです、こう使っている会社もあります、などどいった実務的な話を織り交ぜて話してくださり、とてもためになった。

 

そこでふと、疑問が湧いた。

 

先生は、普段何をしているのだろう?

だってソフトといってもけっこう専門的なソフトである。

そんなに、少なくともこの方がこれから先も一生これだけで食べていくだけの、講習会の需要があるとも考えられない。

 

だいたい、どうやって学んだのだろう。

例えば、自分が新しいソフトを習得したいとする。

まずは今回のような講習会を受けたり、本を読んだりして基礎を学ぶかもしれない。

でもそのあとは、業務の中で実際に使ってみて、試行錯誤しているうちにいつの間にか上達するのが普通だ。

そのソフトについて「教えるために学ぶ」というのは難しいのではないか、と思うのだ。

 

だいたい、先生は実際の業務の中ではこういう風に使うのがいいです、などど実務的なこともおっしゃっていた。

もし先生の主なお仕事が講師のお仕事だとすると、「実際の業務」をどこで知ったのだろう。

 

私はそれに対して、以下の想像をした。

 

①パソコンのソフト自体に興味がある

②「教えること」自体に興味がある

③「接客業」としてやっている

④この会社の営業マンである

④そのソフトを使用する別の「本業」があり、その傍らで講師の仕事をやっている

 

上から順に説明する。

 

①パソコンのソフト自体に興味がある

ソフトを習得する、ということ自体に興味があり、他にもあらゆるソフトを使いこなすことができる。

よって、新しいソフトが出ればそれを習得し、教えるということを生業としているのである。

まあ、ありえなくもない。

この場合は、ご自分がソフトの開発に関わっている可能性もある。

 

②「教えること」自体に興味がある

学校の先生、塾の先生、などの「教える職業」の一つとしてこの仕事をしている可能性である。

そうなると、生後(我々?)のソフト使用技術の上達こそが、喜びということになるのだろうか。

教える、ということに興味があるとすると少しニッチすぎる感じもしなくもないが、これもなくもないか。

 

③「接客業」としてやっている

店員さんなどは接客業の代表であるが、ソフトの使い方を教える仕事も接客業とも言えるかもしれない。

人と接することが好き、で、そのためにソフトを勉強している。

うーーんちょっと違和感。

 

④この会社の営業マンである。

つまり、ご本人がこの会社の営業マンであり、ソフトを売るための営業トークとしてソフトの使い方を教えている可能性である。

これの場合、かなり勉強が必要となる。

しかし営業マンというのは、おそらく自社の商品を売るために商品の勉強は欠かせないであろうから、ありえなくもないかもしれない。

 

⑤そのソフトを使用する別の「本業」があり、その傍らで講師の仕事をやっている

別の「本業」でそのソフトを使用しているので教えられるパターンである。

実務でも使っているならば、講習中にかゆいところに手が届くわかりやすい説明をしてもらえたのは頷ける。

ただ、これだけ教えられるほどの知識を蓄えつつ、別の仕事もやるのはとても大変だろうと想像する。

まあしかし、これは一番あり得る気がする。

バランスが取れている。

 

このように、実際に5つの可能性を書いてみて、今のところ私が一番可能性があると思うのは④である。

 

しかしながら、実際に講師の方にインタビューしたわけではないし、これからする予定もない。

一生答えを知ることはないだろう。

こんなことを書いて何になるのかとも思うが、そもそも、私は人間観察とそれにまつわる空想というものが大好きであり、これ自体が趣味だからいいと思っている。

これからもぜひ続けていきたい。