人生で遠巻きにしていた、ジムに見学に行ってみた話

ジムと言うもの自体、少し遠巻きにしていたところがあることを告白したい。

だって、運動のために運動する、って変じゃない?

どうせなら、何かを学べて、それが結果として運動不足解消にもなる、っていうことをやりたいじゃん。

 

というわけで、わたしは数年間、ダンスを習っていた。

クラスメイトと一緒にステージを作り上げるのはとても面白かったし、

人に見られるスポーツなので、美容にも良かったと思う。

けれども、それなりに年月を積み重ねていくと、自分の限界が見えてくる。

同じだけ練習しているはずの、みんなが上達していくのに、自分だけ上達しない。

というか明らかに、自分だけ形が変なのだ。

これが生まれ持った才能というものなのか。

 

わたしはだんだんと、思い出すようになっていた。

中学生のとき、いくら一生懸命走っても生まれつき足が速い星の元に生まれた子には敵わなかったこと。

体育祭のダンス、一人だけ、ひときわ形がおかしかったこと。それを、親が撮影したビデオを見て、初めて知った驚愕。

これは努力とか練習量とか、そういう問題ではない。

すっかり忘れていた。

わたしは運動音痴なのだ。

 

傷心したわたしは、ダンスを辞めた。

得意でもない運動を、あえて人に見せている。

なんてことだ。

手遅れになる前に、気がついて良かった。

 

そうして半年がたった。

最近、お風呂で椅子に座った時、明らかにお腹のたるみが目立つようになった気がする。

ダンスを辞めてから食生活にはそれなりに気を使ってきていると言うのに、だ。

 

あと、ダンスを辞めてから疲れやすくなった気がする。

体力がつくと、疲れにくくなるかもしれない。

平日、仕事で疲れきってしまうのは、オタクにとっては最悪のことである。

オタクの土日は忙しい。

朝起きて、まずは一週間分の録画をチェック。

推しが映っているところだけに番組をカットし編集する手間は、HDDドライブの容量のことを考えると欠かせない。

また、少しほっておくと信じられないくらい溜まる雑誌はこまめに整理したい。

ツイッターやネットのチェックも怠れない。

もちろん、現場があれば遠征もするし、なくても鑑賞会やロケ地巡りなどの予定が入ることもある。

ほんとうにもう、時間はいくらあっても足りない。

仕事は大切だ。だから平日は頑張る。

平日頑張って、土日は全てを忘れてオタクになること、これは私にとってとても大事なのだ。

そして平日がくるとまた、仕事を頑張る。

だからこそ、体力なのだ。

一生オタクを続けるには、体力こそが、不可欠なのだ。

 

また、筋力をつけることにも興味が出てきた。

これもきっかけは推しだ。

推しは最近、筋トレにはまっているらしい。

みるみるうちに筋力がついて、さらにかっこよくなった。

ダンスだって、前からかっこ良かったけど、前にも増してメリハリがついている気がする。

筋肉は嘘つかないんだな、と実感したのだ。

 

聞くところによるとジムでは、ランニングをしながら携帯で動画を見ることもできるらしい。

最近、見たい動画はあれどだがなかなか時間が取れなくて溜まる一方である。

レーニングしながら見たい動画まで見れるなんてもうめちゃくちゃ効率がいい。

 

敬遠していたジムというものが、だんだん、自分に向いている気がしてきた。

 

前置きが長くなったが、そんなこんなで今日、ジムに見学に行ってきた。

家から少し行ったところの、オシャレなジムである。

もっと近くにもあるにはあるのだが、せっかくならオシャレな方がいい。

何てったって、美観のために行くのだ。・

そこを譲らない方がいい。

 

わたしがジムに期待するのは、下記の点である。

 

・たるんでいない引き締まった体

・動画を見るための時間の捻出

・一生オタクでいるための、疲れにくい、健康な体づくり

 

新しい建物をくぐると、オシャレな入り口の前では、これまたオシャレなウェアーを着た綺麗な女の人がちょうど中に入るところであった。

もしここに通うことにすれば、オシャレなウェアが欲しいなあ、と少しうっとりする。

 

受付で見学に来た旨を伝えると、綺麗なお姉さんに

「お待ちしておりました!」と微笑まれ、またしてもテンションが上がる。

 

まずはジムの構成や会費など、全体の仕組みを説明してもらう。

会社帰りの人も多いのだろう。

ウェアやタオルなどの貸し出しもついているそうだ。

めっちゃ便利じゃん!

ウェアがいらないなら、平日、会社帰りにも来れたりするかも。

うわあ、めっちゃオシャレじゃん・・・!!!

ますますテンションが上がってくる。ドキドキ。

 

一通り説明を聞いた後は、いよいよトレーニングルームに入り、イケメントレーナーさんから説明を受ける。

オシャレなジムにはやっぱり綺麗な受付の人とイケメンのトレーナーさんがいるんだなあ、などどぼんやり思う。

 

トレーナーさんはわたしを見て一番に、詳しくは詳細にチェックしなければならないことを前置きした上で、

「骨盤が歪んでいると思います。あと、肩が内側に入っていますね。いずれも体幹を鍛えると良くなりますよ。あと姿勢が前傾になっているのも直した方がいいですね。背筋を鍛えるといいですよ。姿勢が良くなると結果的に疲れにくくもなりますよ」

となどとおっしゃる。

 

すげえ、プロだ・・・!

そういえば、ダンス教室でも、「腰の上に頭が来ていない」などどよく怒られていた。

そんなもん、乗るわけねーだろ!!!!

と思っていたのだけれど、そうか、体幹部分の筋力が足りないせいだったのかも!!

 

なんでも聞いていいとのことだったので、色々聞いてみる。

私「マシーンの使い方とか、全然わからないのですけど、せっかく来ても何をしていいかわからないなんてことになったらどうしたらいいですか?」

トレーナーさん「最初にプランを立てて目標を決め、それに向かってもらうので、心配ないですよ!それに、トレーナーが常駐するので何かあれば気軽に聞いてくださいね。」

 

ほほう、頼もしい・・!

 

また、一番聞きたかったことを勇気を振り絞って言ってみた。

私「あの・・・マッチョになりたいわけではないのですが・・・・」

これにも

トレーナーさん「大丈夫です!大きな筋肉をつけることを目的としていません。」(キッパリ)

 

おお、これまた、めちゃ頼りになるな・・・・!

 

推しは今、おそらくけっこうマッチョだと思う。

それはそれでかっこいいと思うのだが、自分はマッチョになる必要はないと思っていたので、だいぶホッとした。

 

その後も、

「このマシーンは特殊でして、何が特殊かと言うと・・・うんにゃらかんにゃら」

「この運動をすることで血管がこうなって・・・なんとか」

と、ちょいちょいマニアックな知識を挟んでくるのも好感度が高い。

わたしは、思わず少しマニアックな話をしてしまうのは仕事が好きな証拠だと思っている。

そういう人がいる組織はとても信用できる。

まあ、内容はゼンゼン理解できなかったのだけれど。

 

あとトレーニングだけでなく、ヨガなどのスタジオレッスンにも参加できるらしい。

とても素敵だ・・・!

 

ちゃっかり、帰り道には次回の体験レッスンを予約して帰路についた。

新しいことを始められるのは久々だ。

なんだかんだ、ワクワクする。

早く次回のレッスンの日にならないかな。